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くるわ風景
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宿願だった花魁(おいらん)と禿(かむろ)です。
花魁は髪は伊達兵庫(だてひょうご)、胴巻(どうまき)という袖口と裾周りに別布を使った仲着、刺繍を施した打ち掛け、あんこう口という前帯。
禿は花魁の見習いです。髪は針打ちともよばれた禿島田、大袖(開放した袂)の振り袖、帯は立矢。

江戸吉原、京島原、長崎丸山と有名な遊郭でも、花魁はそのスタイルが微妙に異なりますが、今回は江戸歌舞伎に沿って製作しました。お陰でなかなかイメージが固まらず、花魁の着物は何度も作り直しました。

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花魁ということで思いっきり派手な色合いにしました。
打ち掛けはきちんと裾模様になるように柄を合わせました。材料は例によって風呂敷です。
制作当時は松葉櫛が手に入らず、後日東京の人形専門店で購入し、やっと気が済みました。
2体とも、鬘が完成しないことには成立しない作品なので着物よりも先に鬘を製作しました。
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☆くるわ風景—花魁と見習いの髪形—☆
横兵庫(伊達兵庫)
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地毛で髷の部分を補いきれないので、髪の毛を貼った髷形や梳き毛で髷形を作り、根に取り付けて結い上げます。
髪飾りは、三枚櫛を入れて全部で20本にもなり、約3キログラムにもなります。髷に付ける打ち紐は地域や妓楼によっても違ったといいます。
この横兵庫は遊女特有の髷として、江戸の吉原、京の島原を始めとして流行しました。始めは、片側の髷だけが大きかったのですが、次第に両方が大きく膨張していき、蝶が羽根を広げたような格好になりました。この髪型は、遊女でも上級の花魁が結ったもので、京の島原は艶やかに、江戸吉原は、粋に結われました。

針打ち(禿島田)
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江戸吉原の高位の遊女いついている禿の髪型。髷の根を高く結い上げる禿島田は、江戸では禿島田とも呼ばれました。髷の中には色違いの鹿の子で作った座布団を入れ込み。花簪をつけて子供らしさを演出。禿は花魁の雑用をする少女で成長すると遊女になりました。

切り禿にかえた くるわ風景Ⅱもご覧ください

2017年11月23日追記
経年劣化した禿のかんざしを新調し、座布団も鹿の子に変えました
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正面はこちら
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かんざしのアップ 八重桜と蝶々 製作に3時間かかりました
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全体像はこちら 禿の履き物は黒塗りのぽっくりが原則です。
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by ningyoya7 | 2012-02-24 12:29 | 日本の服飾の歴史
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