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源義経
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平家を壇ノ浦で討ち滅ぼしたものの、兄頼朝と仲違いの果て自滅する、悲運の武将として名高い源義経です。 それとも ”京の五条の橋の上、牛若丸と弁慶は〜” のほうがポピュラーでしょうか?
今回は一念発起! 源平合戦時代の大鎧(おおよろい)をまとった、武将としての義経の再現を試みました。

鎧直垂(よろいひたたれ)は、手首を絞って活動的に。
左腕には籠手(こて)、足には脛当(すねあて)と毛皮製の靴、貫(つらぬき)。
鎧は右脇部分が脇盾(わいだて)として独立しています。
右胸には稼働製のある栴檀の板(せんだんのいた)、左胸には盾の機能をもつ鳩尾の板(きゅうびのいた)。
鎧の両袖は背後の総角(あげまき)という紐と連結され、身を屈めても前に垂れないようになっています。
着背長(きせなが)といい、胴部分が長く重量があるものの、馬上での弓の攻防に適しています。
さらに腰刀と太刀を帯びています。

今までで一番苦労した作品・・・といっても過言ではありません。
材料は和紙、厚紙、ハガキ、しおり用の紐、革、フェルトなどです。
2枚重ねたハガキに2ミリ間隔で穴を開け、紐を通すのが大変でした。
途中で挫折しかけたものの、半年かかってやっと完成ました。
でも布で衣装を作るのとは違って、工作感覚でおもしろかったです。
作りながら”紐の機能”に感嘆させられました。

2004年春 日本ヴォーグ社 手作りひな祭りコンテスト に出品し、審査員賞並びにヴォーグ学園賞を受賞いたしました。


参考資料:「新平家物語 人形絵巻」
     「図録 日本の甲冑武具事典」

     
2004.3.12記 (人形屋)

2014年7月1日
ドールサイズの弓矢を入手したのでセットしました。
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大鎧着装手順
(1) 小袖(こそで)をつけ、梨子打烏帽子(なしうちえぼし)をかぶる。
本来ならば膝丈の白い下袴をつけるのですが、ここでは省略しました。
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(2) 鎧直垂(よろいひたたれ)を着る。
いわゆる直垂とは異なり袖が細くなっています。
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(3) 鎧直垂の左袖だけ脱いで右袖口をくくり、足袋を履き脛巾(はばき)をつける。ここでは手袋は省略しました。源義経_c0147380_1325445.jpg



(4) 左手に籠手(こて)をさし、脛当(すねあて)をつける。
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(5) 右脇に脇盾(わいだて)をつけ、貫(つらぬき:革製の靴)を履く。
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(6) 鎧をつけ、背部と胴部を肩で連結する。源義経_c0147380_13355575.jpg



(7) 脇盾、背部、胴部を右脇で連結する。 源義経_c0147380_13462249.jpg



(8) 袖をつける。 源義経_c0147380_134818.jpg




(9) 右胸に栴檀板(せんだんのいた)、左胸に鳩尾板(きゅうびのいた)をつける。 源義経_c0147380_13483959.jpg




(10) 頚まわりの詳細 源義経_c0147380_13493271.jpg



(11) 腰刀(こしがたな)を腰に差し、太刀(たち)をはく。 源義経_c0147380_135076.jpg



(12) 袖は背面の水呑環(みずのみのかん)に下がった総巻(あげまき)という太い紐に連結されています。源義経_c0147380_1351998.jpg
by ningyoya7 | 2007-11-11 16:41 | 日本の服飾の歴史
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