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イザベラ皇妃
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今回はティツィアーノによる肖像画をもとに製作しました。
実は小学生の頃、世界名画全集でこの絵に出会い、なんて素敵なドレス!
いったいどういう着付け方法なんだろう?と、思いめぐらしておりました。

さて、イザベラ皇妃は 前作マルガリータ王女の曾祖父の母にあたります。
肖像画はネタの宝庫ですが、歴史の片隅の物語も思い起こさせてくれます。

16〜17世紀はスペイン黄金時代、新大陸やフィリピンまで領土を広げ、『太陽の沈む ことなき大帝国』。
こんな大きな帝国を治める国王カルル5世は西へ東へ大忙し。
41年間の在位中、本国スペインにいたのはわずか17年間という多忙ぶり。
妃は国内の平和のために1526年 隣国ポルトガルからめとりました。
宗教心の強いカルル5世の妻にふさわしく、イザベラ皇妃は質素で我慢強い性格でし た。
結婚の翌年、王子(後のスペイン国王フェリペ2世)が生まれましたが、ひどい難産 で、取り乱した姿を見られたくないといって、明かりをすべて消し、うめき声ひとつ 上げず耐えたそうです。
政略結婚にしては、珍しくも愛情のある結婚生活になりましたが、イザベラ皇妃は12 年後に流産の結果、世を去りました。衛生観念の乏しい当時、王族といえども出産は 命がけだったのです。
1556年、カルル5世は息子フェリペ2世に位を譲った後は、修道院にこもって、亡きイ ザベラ皇妃の冥福を祈り続けました。

カルル5世はエリザベス1世の父、イギリス国王ヘンリー8世の強力なライバルでした。
正反対な家庭生活(なにせ6回も結婚したヘンリー8世)だった両父王ですが、子供同 士(フェリペ2世とエリザベス1世の姉であるメアリー女王)が結婚しています。
もっともメアリー女王の死後、フェリペ2世はエリザベス1世に求婚してふられていま す。

さらにエリザベス1世のライバルであるメアリーオブスコットランドのお話は・・・。
また別の機会にいたしましょうね(笑)。
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腰の飾りはポマンダーという香料入れであることが判明。手直ししました。  
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by ningyoya7 | 2007-11-11 17:08 | 西洋の服飾の歴史
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